2017年日本の採用市場、下期に入り活気取り戻す:2018年の見通しは概ね良好だが業界の落差激しく

2017年日本の採用市場、下期に入り活気取り戻す:2018年の見通しは概ね良好だが業界の落差激しく

国際的に展開する人材紹介会社Morgan McKinley Japanは2018年度版給与ガイドを発表しました。

同ガイドによると、2017年初頭の採用市場は低迷気味でしたが、下期には金融を始め一部業界が自信を取り戻し市場は再び活性化しました。2018年の求人市場及び平均給与の見通しは明るく、業界によっては人材の需要が供給を上回る売り手市場となり、企業が人材の確保に苦戦する可能性があります。

「低失業率と高求人倍率の組み合わせに、今年多くの採用担当者が頭を悩ませることになるでしょう」とMorgan McKinley Japan(東京都港区)マネージング・ディレクターライオネル・カイダツィスは語ります。「日本は世界の主要経済圏の中で最も65歳以上の人口の割合が高く、少子高齢化の問題は深刻です。現時点での情報を総合すると、「有能な人材を巡る戦い」は激しさを増しながら、予見し得る将来にわたって続くと思われます」

2017年上期の金融業界は、ブレグジット、米大統領選挙、中国経済の減速などによる先行き不安を引きずり、求人市場は不安定でした。第2四半期には金融各社は自信を回復し、下期は2016年初頭と同水準まで求人数が戻りましたが、戦略の転換により必要とされる人材には変化が見られました。

「コーポレートバンキングの世界では、商業銀行の従来型ビジネスモデルを見直す動きが広がりました。プロジェクトファイナンスに代表される中長期金融商品の提供から、次第にハイブリッドバンキング的な戦略に軸足を移すグローバル企業が増えています」とカイダツィスは説明します。この影響を受け、2017年はコーポレートファイナンスやハイブリッドバンキング、キャッシュ/トレードの提案型営業、Eバンキングやフィンテックなどの分野に需要が集中しました。2018年もこの傾向は続く見込みです。投信投資顧問業界においても、投信営業、金法・年金営業、特定分野のプロダクトマネージャーなど一部のフロントオフィス職への需要集中が見られました。

グローバルマーケットのフロントオフィス求人市場は過去数年に比べ動きが少なく、欠員補充採用が中心でした。「調査部門はMiFID2規制への対応に追われていますが、施行の真の影響はまだこれからでしょう。こうした中、海外顧客を取り込み、顧客ベースを拡大するためにマルチリンガルのアナリスト採用を検討している企業もあります。」とカイダツィス。

給与ガイドが紹介する事業法人の経理・財務部門の採用動向も興味深いものです。例えば2017年はバイリンガル、トライリンガルの経理財務人材の引きが高く、特に中国語(北京語)が流暢な求職者は高待遇を得ています。

また、事業法人ではバックオフィス業務の海外移管や外部委託を進める傾向が続きました。対照的に、収益を生み出す部署では人材の維持・能力開発が優先されています。営業・マーケティング部門では総じて求人数が増加しましたが、2017年も業界や個別企業によるばらつきが大きく見られました。テクノロジー業界(特に営業職、インフラサポート職)、FMCG、食品、再生可能エネルギーは人員拡大の動きが最も顕著でした。全体として求人数が落ち込んだのは通信、アパレル、小売でした。

2018年以降の展望

Morgan McKinley Japan 給与ガイドでは、金融業界における採用活動は2018年も概ね安定的と予測しています。
未知数ながら成長の可能性を秘めているのは仮想通貨の分野です。海外ではビットコインを始めとする仮想通貨の規制強化が進み、禁止する国もある一方、金融庁は取引に好意的な規制環境を整えようとしています。しかしダボス会議でも警鐘が鳴らされ仮想通貨の精査が進む中、先の見通しは不明瞭です。

自動化(オートメーション)は成長を牽引する技術であり、特にAIやフィンテック企業が関連技術に精通した人材を求めています。ビッグデータや高度なデータ解析に必要な能力を持つ人材も2018年需要が高いでしょう。

将来のバーセルIV規制では金融機関の運転資本要件が厳格化され、アセットに基づく事業は更に厳しく規制されることになります。こうした動きを踏まえ、モーガンマッキンリー社は金融業界ではコンプライアンス、アンチ・マネーロンダリング(AML)、監査、KYC業務の需要が高まると予測しています。

また、日本は2つの国際的ビッグスポーツイベントの開催を控えています。2019年9月にキックオフするラグビーワールドカップと、2020年の東京オリンピックです。ホスピタリティ業界・食品業界で採用のミニブームが起きるほか、デジタルマーケティングなどの分野でも需要が拡大する可能性があります。

「総じて日本経済は堅調で、多くの企業は人員整理などの痛みを伴うプロジェクトを完了し、前を向いています。転職市場は需要が供給を上回る売り手市場で、特に言語や最先端のIT技術などの強みを擁する人材は特に交渉を進めやすいでしょう」とカイダツィスは結論付けます。

2018年給与ガイドでは、モーガンマッキンリーの日本支社にて取り扱う業界・職種における平均給与水準をお届けします。2018年の展望を含む雇用動向に関する短い評論と共に、職務ごとの給与額を職位別にご覧いただけます。

モーガンマッキンリー2018年版給与ガイドはこちらのリンクからご覧ください。

プレスリリースに関するお問い合わせ:

Yumi Kanazawa
金澤 友見
Marketing Executive
Tel: +813 4550 6560
Email: ykanazawa@morganmckinley.co.jp

Alternatively, please contact the Press Office at pr_apac@morganmckinley.com  

Morgan McKinleyについて

Morgan McKinleyはスペシャリスト人材と、多くの業界・業種のリーディングカンパニーを結ぶグローバルな人材紹介会社です。

アイルランド、英国、フランス、カナダ、アジア、オーストラリアにオフィスを展開し、銀行・金融サービス、事業法人、プロフェッショナル・ファームなど幅広い業界をカバーしています。大企業をはじめ、多くの小規模事業者ともお取り引きをいただいております。

Morgan McKinleyはAPAC(アジア太平洋地域)において、オーストラリア、中国、日本、香港、シンガポールで人材紹介サービスを提供しており、採用企業及び求職者の皆さまに、各国ならびにグローバルの情報をお届けしています。