製薬業界のM&A-2015年の動向

07 Jan 2015

昨年、製薬業界では大きなM&Aが続きましたが、その傾向は今年も続くと多くのアナリストが予想しています。

いくつもの製薬会社が猛スピードで複数の買収契約を同時に進め、さらに大きな合併・買収を案件を探しているようです。

2014年、米国の製薬会社は法人税で有利な拠点を活用しようと、海外へ進出しました。有名なところでは、マイラン製薬がアボット・ラボラトリーズのオランダのジェネリック(後発)医薬品会社を買収。ホライゾン・ファーマは、アイルランドのビダラ・セラピューティクスを買収し、ご存知の通りファイザーは英国アストラゼネカに合併を持ちかけています。

昨年秋、米国財務省が買収企業に厳しいルールを導入したため、外国企業買収ブームは若干、落ち着いた感じです。例えばアッヴィはシャイアー買収から550億ドルを引き上げ、Salix Pharmaceuticalsのような中小規模の製薬会社も、欧州企業とのM&Aを取りやめています。しかし規制強化に関わらず、2015年も活発なM&Aが続くとの見方が主流です。

今年も転がり続けるM&Aのボール。それは一般用医薬品業界です。特に新興国市場における中間所得層の拡大によって、この業界の成長は約束されています。大手製薬企業は、争奪戦において少しでも優位に立とうとしています。

グラクソ・スミスクラインとノバルティスは、一般医薬品の合弁会社設立に合意しました。大衆薬メーカーとして世界一の規模になります。バイエルは、メルクのコンシューマーケア事業を1,420億ドルで買収して大衆薬メーカー世界第2位となり、中国の漢方薬メーカーDihonも取得しました。今後はバイエルの様な大手ばかりではなく、最近テネシーのChattemを取得して認知度が上がっているサノフィや、ベルギーのオメガを買収したPerrigoをはじめ、多くの中小規模の一般用製薬メーカーで動きが活発になると言われています。

”物言う株主”として知られるBill AcKmanは昨年、バリアント(カナダ)のアラガン(米国)への敵対的買収提案において、型破りな取り引き手法で注目されました。バリアントがアラガン買収を計画している際、Ackmanは製薬会社最大の株主になるために、敵対的買収提案のための資金を密かに集めました。

これが買収側企業を刺激し、製薬企業はますます大胆になりましたが、誰もがAcKmanと同じことをするとは限りません。そして結果的に、バリアントとAcKmanは、アラガンの争奪戦において、ジェネリック薬品大手のアクタビスに敗れました。アクタビスとアラガンによって収益上位10社に入る新製薬会社が誕生した一方で、米国証券取引委員会は現在、インサイダー取引についても調査中とのことです。

しかしAckmanは懲りないでしょう。彼はアクビタスに急襲される少し前にも、動物用医薬品・飼料業界トップのゾエティスの株150億ドルを取得し、"ファイザーのスピンオフ企業=ゾエティスを、バリアントに売却するのではないか"との噂が立ち、実際ゾエティスのトップもこれに興味(他の製薬会社も含め)を示していたそうです。いずれにしてもAckmanの動向は今後も注目を集めるでしょう。

こうした製薬業界の大規模M&Aについて、皆さんはどうお考えですか?皆様のご意見をMorgan McKinley 経理・財務チームまでお寄せください。