2020年外資系投資銀行シーズンプレイボール!

熊沢 義喜 February 21, 2020この記事を読む所要時間: 7分

2月1日からプロ野球キャンプが始まりました。外資系投資銀行もプロ野球と同じような動きを見せています。

プロ野球では選手たちが自主トレ、ウインターリーグを経ていよいよ本格的に活動を開始しました。毎年10月のシーズン終了後は、比較的静かなオフシーズン(ストーブリーグ)と呼ばれています。オフシーズン期間中はドラフト会議、選手の契約更改、トレードなど、翌年に向けてのチーム編成の戦略が練られます。  
 
外資系投資銀行もプロ野球と同じような動きを見せます。10月に入ると、投資銀行の当該年度採用は基本的に終了となります。オフシーズン期間中は他社のプレイヤーとのインフォーマルな情報交換、自社社員の契約更改、レイオフなど、翌年に向けてのヘッドカウント戦略が練られます。
 
現場レベルでは翌年の戦力編成を睨み、「マーケット情報交換」との名目で他社のプレイヤーと会います。経験の少ない有力な若手とも、青田買いのような形で会うケースも多いですが、実際の採用はほぼ翌年を想定しています。
 
そしてプロ野球のキャンプ入りに相当する年間行事 、ボーナスアナウンスメントなどもあります。例年、採用活動がピークになるのは、年1回のボーナス支払い後となります。
外資系投資銀行のボーナスシーズンの流れは、以下の通りです。

  1. まず 1月中頃から 3月前半にかけて、前年度の人事評価およびボーナスの金額が告げられる「ボーナスコミュニケーション」が各社で行われます。
  2. 米系企業が比較的早く 1月後半から 2月中頃、そして欧州系は 2月中頃から 3月後半にかけて、実際にボーナスが各人に支払われる「ボーナスペイメント」が各社で行われます。
  3. 各外資系投資銀行のボーナスペイメント後は、シーズンが佳境に入ります。 

今年外資系投資銀行において注目されるであろうトレンドをいくつかまとめてみました。

 
2020年シーズンで予想されるトレンド

インフォーマルな面談

オフィス外などリラックスした雰囲気の中で社風や募集の概要について話し合う場を指します。インフォーマルな面談増加の背景としては、いくつかの要因があります。

  • 雇用契約のノーティスピリオドの長期化:3ヶ月以上の候補者数が多く、プロセスのスタートが早期化。
  • 採用アプルーバル の長期化: 各外資系投資銀行の採用プロセスでグロバールな承認が必要なケースの増加。

セールス&トレーディング 部門

この部門においては、以前から「マーケット情報交換」との名目で他社のプレイヤーと会う慣習が一般的です。現時点で直接採用ニーズがなくても、優秀な候補者には 現有戦力との入替(アップグレード)も視野に、又経験の少ない有力な若手とも、青田買いのような形で会います。  

エクイティリサーチ部門

各種メディアによりエクイティアナリストのランキングが発表されるなど、比較的同業者間で知名度が共有されているのが同部門になります。各投資銀行の部門ヘッドから直接インフォーマルな面談設定の誘いが行われるケースが多いです。 

投資銀行部門

若手の候補者不足を背景に、同部門においては新たにインフォーマルな面談を取り入れるケースが出てきています。積極的に転職活動をしていない人材との非公式の面談の場を設けることによる、候補者プールの増加が狙いです。この部門においては従来から外資系投資銀行の同業者間、PE、戦略コンサルティングと優秀な若手獲得において競合が続いています。近年では加えて事業法人、特にテクノロジー関連企業との人材獲得競争も増えています。

プライベートエクイティ

PEにおいても若手の候補者不足を背景に、新たにインフォーマルな面談を取り入れるケースが出てきています。主にランチなどのカジュアルな場での面談が中心となります。

カウンターオファー 

外資系投資銀行の人材獲得競争が過熱する中で、退職申し出に対する慰留交渉が行われます。この慰留交渉がカウンターオファーです。社内、更には社外でも評価が高いスタープレイヤーであれば、会社が慰留するのは当然でしょう。退職を申し出る社員に対する様々な引き留めのアプローチは増えつつあります。
 
代表的なカウンターオファーのパターンをいくつかご紹介します。
 
1. 好条件の提示

  • 他社のオファー金額を上回る金額のベースサラリー、ボーナスを提示
  • 現状のタイトルから昇進など、役職における責任アップ
  • 花形部署への移動、会社派遣のMBA留学へ推薦など本人希望に応じる

 
2. 感情に訴えるアプローチ  

  • 義理・人情の側面から慰留を促す
  • 転職に伴うリスクのレクチャー
  • 辞表の受取りを拒否
  • 長期間にわたる引継ぎの強要

 ダイバーシティ一

外資系投資銀行各社において、ジェンダーバランスなどダイバーシティに関する課題が大きな話題になっています。
 
女性の登用:適切な知識や経験を持つ女性候補者の採用を男女比の是正も含めて、積極的に検討するファームが増えています。これまで活躍する女性が少なかった経緯もあり、 特にフロントオフィスでこの傾向が顕著であります。セールス&トレーディング、投資銀行部門など幅広い分野で女性登用が積極的に推進される見通しです。
 
LGBTへのサポート:ダイバーシティ&インクルージョン研修実施、福利厚生制度、社内ネットワーク設立などの推進。人事部が主導で、ここ数年大手外資系投資銀行各社ではLGBTに対する様々なサポートが実施されています。ダイバーシティ&インクルージョン研修は全社レベルで行われる多様性を学ぶ各種のトレーニングを指します。
 
福利厚生制度の例としては、ドメスティックパートナーに対して同性間でも配偶者とほぼ同等の福利厚生制度の適用があげられます。例えば、健康保険の保険料補助、特別有給休暇、転勤手当などです。社内ネットワークは、LGBTの社員による職場環境の改善に向けた定期的な会合を行う仕組みの遂行しています。

ワークライフバランス

外資系投資銀行各社において、ワークライフバランスに関する様々な施策が導入されています。
 
充実した休暇制度の導入:外資系投資銀行内のそれぞれのライフステージに応じた休暇制度の導入。20日間以上の有給休暇 、 産前産後休暇、父親休暇や介護休暇などがあげられます。
 
部門別の時短勤務の導入:外資系投資銀行内のそれぞれの部門主導による施策の推進。例えば、金曜夜9時から日曜朝9時までの勤務を禁じる制度の様な、投資銀行部門におけるアナリスト及びアソシエイトレベルの週末勤務の制限などがあります。
 
マーケット部門における全メンバーに対する、半強制的な2週間連続で休暇を取るブロックリーブの導入などもあります。
 
柔軟な勤務体系の導入:女性登用の推進も背景に、在宅勤務やフレックスタイム制の導入も外資系投資銀行各社で増加しています。
 
カジュアルウエアの導入:毎週金曜日、6月から9月の夏の期間など段階的にカジュアルウエアを導入するケースが増加しています。
 
ワークライフインテグレーション:仕事と生活を統合する考え方の推進。
勤務時間中での私用への柔軟な判断(例えば、ジムに行くなど)を進めている企業もあります。
 
ヘルスケアサポート:社員の健康を心身ともに支える仕組みを目的とし、定期健康診断、無料指圧マッサージ、カウンセリングなどの提供をします。

皆様、2020年のシーズンを戦う準備はよろしいでしょうか?
転職、採用活動、金融業界に関するご質問等ございましたらお気軽にご相談下さい。

Yoshiki Kumazawa's picture
シニアマネージャー | 銀行&金融, フロントオフィス 紹介部門
ykumazawa@morganmckinley.com

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