2019年 経理・財務 給与ガイド

モーガンマッキンリー2019年版給与ガイドにて経理・財務における給与額をご参照ください。

経理・財務 - 事業法人 -  
経理・財務 - 金融 -

経理・財務 - 事業法人 -

経理・財務 (事業法人) 基本給 (年収・単位:百万円)
職種 最低額 最高額 平均額
買掛金担当スタッフ 4 5.5 5
売掛金担当スタッフ 4 5.5 5
請求書担当スタッフ 3.5 5.5 4.5
経理 4 5.5 5
クレジットコントローラー 6 8 7
クレジットマネージャー(信用管理責任者) 8 10 9
経理マネージャー 9 15 12
ファイナンス・コントローラー 10 16 13
ファイナンス・ディレクター(財務部長) 14 22 15
FP&A ディレクター 14 22 16
CFO 15 25+ 18
シェアードサービスセンターディレクター 16 25 20
ファイナンス マネージャー 12 16 14
FP&A マネージャー 12 16 14
コストアカウンタント 5 8 7
ファイナンシャルアカウンタント/グループフィナンシャルアカウンタント/GLアカウンタント 4 8 7
ファイナンシャルアナリスト 5 9 7
管理会計 5 9 7
収益管理 5 8 7
シニアファイナンシャルアナリスト 7 10 9
ファイナンシャルアナリスト 6 9 8

経理・財務 (事業法人)

2018年の経理・財務関連職の採用市場を総括すると、一様なトレンドがなく、多種多様なニーズが見られた年だったといえるでしょう。前年同様堅調だった医療業界に加え、B2B、再生可能エネルギー、小売、消費財、ITやコンサルティングなど、様々な業界が積極的に採用に動きました。

特に求人が多かったのは4-6月期で、5月、6月が2018年の採用のピークとなりました。これは例年通りの傾向で、ボーナスシーズン前後の人材の流動化と連動しています。更に、2018年は通常求人数が落ち込む8月と12月にも多くの求人が見られました。

転職志望者にとっては過去数年と比べると転職しやすい環境で、適切な資格や経験を有する候補者は複数の内定を受け、その中から好条件の企業を選べる強い立場にありました。逆に採用企業は必要な人材を確保するため、業界経験など募集要件の譲歩、採用プロセスの短縮、ポジションや自社の魅力のアピールといった対応を迫られました。

2018年も一般的なアカウンティング業務経験者よりFP&A(財務企画・分析)業務経験者の採用需要が目立ちました。中堅からシニア・レベルの募集が多く、中小企業の経理財務部長やFP&Aチームの立上げ担当マネージャーなどが大きな割合を占めました。

同時に、一部大手多国籍企業では引き続きコントローラーや経理経験の需要があり、一年を通じてアカウンティング・マネージャーの求人が見られました。

また業界を問わず税務、社内コンサル、サプライチェーン・ファイナンス、経理財務部長やCFOなどの求人も一定数ありました。

日本の労働市場における真の多様性の実現は非常に難しい問題です。しかし2018年に当社を通して内定した候補者のうち、外国籍人材の割合が22%に達したことは明るい兆候ではないでしょうか。尚、全員日本語が流暢で、日本国内での勤務経験のあるプロフェッショナルでした。

ブレグジットやGDPR(EU一般データ保護規則)などの国際的な動きが採用活動に影を落とすことは特にありませんでしたが、不安定な経済状況の中、慎重に「様子見」をする企業も散見されました。

働き方改革については、柔軟な働き方を認める勤務制度が日本でも徐々に広がっているものの、企業風土やマインドセットの変革の難しさが浮き彫りになっています。フレックスタイム制を導入しても、活用する社員が少ないなどの悩みを抱える企業もあります。

2019年も世界情勢の見通しは不透明ですが、日本は依然として世界第三位の経済大国であり、本年開催のラグビー・ワールドカップ、更には2020年のオリンピックによる経済効果が期待されます。海外攻勢をかける日系企業の増加と共に、外国語能力が高い経理・財務人材の需要も高まるでしょう。

また、他部署と連携しつつ、会社により高い付加価値を提供する「ビジネス・パートナー」能力を求めるトレンドは今年も続く見込みです。転職を志す経理・財務プロフェッショナルの方々は、新業務やプロジェクトにも積極的にチャレンジし、スキルアップを目指すことをお勧めします。

採用企業に求められることは、自社で可能なキャリアパスやその魅力を候補者にきちんと提示することです。2000年代以降に成人したミレニアル世代が会社の主戦力になっていく中、こうした努力は今後一層重要になると考えられます。

ブレンダン・ウォルシュ 
アソシエイトディレクター | 人事、経理・財務

経理・財務 - 金融 -

経理・財務 (金融) 基本給 (年収・単位:百万円)
財務
職種 最低額 最高額 平均額
財務部長 25 35 30
CFO 30 50+ 40
管理会計      
アナリスト 6.5 8.5 7
アソシエイト 8 13 10
VP 12 18 15
ディレクター 18 28 22
財務会計      
アナリスト 6.5 8.5 7
アソシエイト 8 13 10
VP 12 18 15
ディレクター 18 28 22
プロダクト・コントロール      
アナリスト 6.5 9 7.5
アソシエイト 8.5 14 11
VP 13 19 16
ディレクター 19 30 25
バリュエーション      
アナリスト 6.5 9 7.5
アソシエイト 8.5 14 11
VP 13 19 16
ディレクター 19 30 25
税務      
アナリスト 6.5 8.5 7
アソシエイト 8 13 10
VP 12 18 15
ディレクター 18 28 22
 
監査
職種 最低額 最高額 平均額
監査部長 25 35 30
IT 監査      
アナリスト 6 8 7
アソシエイト 8 13 10
VP 12 18 15
ディレクター 17 28 22
内部監査      
アナリスト 6.5 8.5 7.5
アソシエイト 8 14 11
VP 13 19 16
ディレクター 18 28 22

経理・財務 (銀行&金融)

2018年は経理・財務部門の求人数が前年比で72%増加しました。四半期ごとの推移をみると、第1四半期に全体の27%、第2四半期に44%、第3、第4四半期はそれぞれ11%と16%と、上期に7割近くの求人が集中しています。背景には業界全体が採用を控えていた2017年に比べ、日系・外資系を問わず年初に採用予算を確保できていたことがあります。

求人数が増加した上、経理・財務の優れたコアスキルを持つ金融業界経験者が不足していたことから、2018年は転職者に有利な売り手市場となりました。多くの候補者は複数社との面接を掛け持ちしていたため給与交渉を有利な立場で進めることができました。対する企業側は競合他社を抑えて優秀な人材を獲得するため、選考プロセスのスピードアップを求められました。

シニアレベルの採用案件の割合が増え、全体のおよそ30%がVP以上の求人だったのも興味深い傾向です。

2017年までの数年間は財務コントロールや管理会計といった基本的な経理職が採用の中心でしたが2018年はプロダクト・コントロールやトレジャリーなど、金融危機後に海外移管され日本の外資系企業ではほとんど見られなくなっていたポジションの募集が復活しました。

また日本国内に多くの資産を抱える外資系金融機関の中には、資金管理や流動性マネジメントの効率化を目指して日本法人に第1と第2のディフェンスラインを設けた企業もあり、この戦略の転換がトレジャリーの求人需要を後押ししました。

自己資本や流動性規制強化に伴い、2018年はこの分野での専門知識を持つプロフェッショナルの需要が高まりました。これは外資系の金融機関では海外本社が統轄してきた機能ですが、日本法人にも専任チームを設置する企業が増えています。一部日系金融機関が世界基準に合わせた組織作りを継続していることも需要増につながりました。

台帳や会計システムのアップデートや入れ替えを進めた金融機関もあり、経理・財務部門を取り巻くIT環境は変わりつつありますが、新テクノロジーが大きな影響を及ぼすには至っていません。各社CFOは複雑化する規制への対応や戦略的な経理の実現に貢献できる人材を求めており、優れた経理スキルや会計基準についての知識を持つプロフェッショナルは引き続き転職市場で高い評価を得ています。求められる資格の第一位は2018年もCPA(特に日本の公認会計士)でした。

金融業界の経理・財務部門における近年の主要課題といえば、コストカットでした。多くの外資系金融機関では、他のアジア地域で「プロダクション・センター」を整備しながら、日本のチームは機動性を重視してスリム化を進めてきました。2018年も同様の戦略を踏襲する企業もありましたが、多くのCFOがビジネスへの付加価値を高めるために部署のレベルアップを意識し始めたことは注目に値します。

正確無比に決算を行うだけの経理・財務部門は時代遅れになりつつあります。ストラクチャード商品に関する助言、会計基準の解釈やその影響、P&Lの分析と説明といったビジネスへのアドバイス能力が今後採用の鍵になるでしょう。

また、米国基準とIFRSに見られるような会計基準のコンバージェンスの動きもあり、2019年は国際的な会計基準や日本への適用についてしっかりと理解しているファイナンシャル・コントロール人材の需要が高まることが予想されます。インフラ開発や台帳のシステム化プロジェクトを進行中の会社や新テクノロジーの導入を検討している企業も多く、プロジェクトマネジメントやITスキルに長じた人材も求められています。

基本的な経理財務分野の優れた経験・知識を持ち、ビジネスに高い付加価値をもたらすことができるプロフェッショナルは2019年も給与交渉で好条件を引き出すことができるでしょう。

スティーブン・ハウデン 
マネージャー | 銀行&金融

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アソシエイトディレクター | 人事、経理・財務 紹介部門
bwalsh@morganmckinley.co.jp

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