2019年 第3四半期 金融オペレーション・財務 採用動向

Morgan McKinleyでは三か月ごとに金融オペレーション・財務採用市場のマーケット情報をお届けしています。前期の総括、今期の見通しをまとめましたので、どうぞお役立てください。

2019年第3四半期の転職市場の主なトレンドは?

金融のオペレーションと経理財務部門では、業務の海外移管やアウトソーシング、RPAなど先端技術の導入が続いています。このため2019年の転職市場は年初から第2四半期まで停滞気味でしたが、6月ごろから上向き始め、第3四半期もこの傾向が継続しました。

外資系金融機関のオペレーション部門では、一部例外を除いて広く採用活動が見られました。離職した社員の穴埋めのニーズもありましたが、新規の採用枠も出てきています。

また、外資系の経理財務部門では、日本に配置する人員を必要最低限に抑えようと数年来部署が縮小していましたが、2019年はチーム増強に乗り出したCFOもいます。

日系金融機関は今年は採用に消極的です。大幅な組織改革を進めている企業も多く、コスト削減や効率改善が課題となっています。結果として求人数は減り、社内に適任者がいない場合のみ、外部からの採用を行っています。日系企業の採用が落ち込んだため、昨年と比べて転職市場全体の動きが緩慢でした。

Operations & Finance recruitment trends

最も需要が高かったスキルは?

採用予算の確保が難しいため、各社のCOO、CFOは今ある採用枠をできる限り有効に活用しようとしています。海外移管や自動化が可能な処理業務などでは採用を控え、代わりにチームの底上げを図る「アップスキル」採用に意欲を示しています。

オペレーションでは、ビジネスサイドやクライアントとの連携能力や、コントロール態勢の改善に貢献する力、規制対応能力が求められました。先期は特にプロジェクトマネジメント、オペレーション・コントロール、クライアントサービスやレギュラトリー・オペレーションといった職種の採用が目立っています。

経理財務部門でも、ビジネスの意思決定に対し財務の観点から助言をするなど、ビジネスサイドと密接に関わる能力が求められています。ファイナンシャル・コントロール、プロダクトコントロール、FP&A、トレジャリーなどの職種で採用がありました。

転職市場において需要と供給が釣り合わず、スキルギャップが大きい分野は?

各社のCOOやCFOは現在部署の底上げを図る「アップスキル」採用を狙っており、このため前述の分野において高度な専門知識を持つ人材が不足しています。

またビジネスサイドやクライアント、金融庁などとコミュニケーションをとりつつ、海外に移管した業務の監督ができるバイリンガル人材が引き続き不足しています。

加えて、今業界で足りないのは先端技術に明るく、プロセスやシステムの改善プロジェクトに携わった経験があり、且つこうしたプロジェクトがビジネスに与える影響をしっかり理解している人材です。今まではオペレーション部門がフロントからバックのトレードフローを処理し、IT部門がシステムやインフラを担当してきました。しかし最近では、オペレーション・スタッフも先端テクノロジーや、生産性を高める利活用法を知らなければ務まらないようになってきています。

優秀な人材を惹きつけるために、企業ではどんな努力をしていますか?

オペレーションでも経理財務部門でも、高額の給与を得られるのは部署に本当に貢献できる人材のみとなっており、各社は少額の上乗せで人材を確保しなければならない立場に立たされています。厳しい状況の中、競合に対抗するために多くの金融機関では採用プロセスの合理化を進めており、1~2回の面接でオファーに至ったケースも複数ありました。2019年はスピーディーに動いた企業ほど、優秀な人材の獲得に成功しています。

2019年第4四半期の転職市場の見通しは?

2019年10-12月期も、上述したトレンドが続くと思われます。第4四半期は採用が最も下火になるのが普通ですが、ここ数年金融業界では年末まで積極的な採用活動が続いています。各社の意思決定者と意見を交わした限りでは、2019年も同じ展開になりそうです。

多くの企業では年末にかけて部署を補強するために日英バイリンガルのジュニア人材を採用し、中堅・ベテランの採用は1月、又はボーナスシーズン以降に持ち越すようです。しかし2020年にヘッドカウントを取り消される恐れがある場合はシニア職の採用を前倒し、魅力的なオファーを提示して年内にベテラン人材を確保しようという動きが出る可能性もあります。

そしてもう一つ、金融人材の新しい、魅力的な受け皿となっているのがフィンテック企業です。「躍進」と呼べるほどの勢いは(まだ)ありませんが、決済ソリューションなどにおいてたくさんの新興企業が登場しており、経理財務やオペレーション経験者の新たな活躍の場となっています。

2019年 第三四半期 金融オペレーション・財務 採用動向

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マネージャー | 銀行&金融 紹介部門
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