2019年 第3四半期 アセットマネジメント採用動向

河野 次男 September 27, 2019目安: 1分

Morgan McKinleyでは三か月ごとにアセットマネジメント採用市場のマーケット情報をお届けしています。前期の総括、今期の見通しをまとめましたので、どうぞお役立てください。

2019年第3四半期の転職市場の主なトレンドは?

2019年第3四半期(7-9月)の採用市場は、第1期・2期の勢いを持続しました。

2019年のこれまでの動きを振り返ると、前年比で中途採用市場の求人数は約2割減少しています。(9月時点)また、今年は部門ヘッドレベルの案件が少なくなっています。年齢別では20代後半~40代半ばまでの採用が最も多く、外資金融で一般的に使用されている役職でいえばアソシエイト、シニアアソシエイト、AVP、VPに相当するオファーが採用の82%を占めました。

Asset Management Recruitment Trends

中途採用で募集が多かった職種のランキングは以下の通りです。

【フロントオフィス】全体の32%

  • 機関投資家営業(金融法人)
  • 投資信託営業、ホールセール
  • 年金営業
  • アナリスト(株、クレジット、ESG含む)
  • 外部委託ファンドマネージャー
  • ファンドマネージャー(日本株、債券、クオンツ含む)

【ミドルオフィス】全体の29%

  • プロダクトスペシャリスト、プロダクトマネージャー
  • マーケティング(デジタル、イベント、プロモーション)
  • クライアントサービス(営業サポート、クライアント対応)
  • 商品企画、開発(リテール、機関投資家両方含む)

【バックオフィス】全体の39%

  • コンプライアンス
  • レポーティング(投資顧問、投信含む)
  • RFP
  • リスク管理(パフォーマンス分析含む)
  • オペレーション(投信計理、投資顧問、オフショアファンド)
  • トレーディング 

最も需要が高かったスキルは?

基本的に関連経験4年が応募の一つの目安となっています。募集が多かったスキルは以下の通りです。

【フロントオフィス】

  • 機関投資家営業:特に中央金融法人の本部との対応経験
  • 投資信託営業、ホールセール:大手証券・銀行担当経験(地銀は応相談)
  • 年金営業:大手企業年金の担当経験
  • アナリスト:日本株アナリスト経験が5年以上(セクター不問)
  • 外部委託ファンドマネージャー:アセットクラスは関係なし
  • ファンドマネージャー:特に日本株運用、又はクオンツ関連経験

【ミドルオフィス】

  • プロダクトスペシャリスト:特にプライベートアセット、外株系
  • マーケティング:特にデジタルマーケティング(強化を目指す企業が多く、業界外から採用に至るケースも)
  • クライアントサービス:営業サポート、クライアント対応スキル
  • 商品企画、開発:機関投資家向け商品企画(リテール商品開発の求人は2018年比で減少傾向)

【バックオフィス】

  • コンプライアンス:主にビジネスコンプライアンス
  • レポーティング:特に年金、金融法人などの機関投資家向けレポーティング
  • RFP:安定的な需要あり
  • リスク管理(パフォーマンス分析含む)
  • オペレーション(投信計理、投資顧問、オフショアファンド)
  • トレーディング:日系運用会社の求人が中心 

転職市場において需要と供給が釣り合わず、スキルギャップが大きい分野は?

スキルではありませんが、アソシエイトレベルやAVPの採用が多いため、中堅層の人手不足が深刻です。

背景には、業界の人材の約7割が40歳以上であるという現実があります。特に外資系アセットマネジメント会社には新卒採用を行わずに中途採用で成り立っているところもあり、若手や中堅を積極的に登用したいのは人事戦略上当然のことでしょう。しかし、求めるスキルを全て備えたアソシエイト~AVPレベルの人材が枯渇しているため、中途採用が長引くケースが増えています。一つのポジションに対して3か月以上サーチを続ける企業も少なくありません。2019年弊社で担当した案件で最も採用に時間がかかったものは、内定まで9か月かかりました。

こうした現状を踏まえ、運用業界は未経験でも新卒で金融機関(証券・銀行・金融担当のコンサル等)に入社して一定の関連業務経験を積んでいる場合、20代後半までであればポテンシャル採用に踏み切る中堅・大手の外資アセットマネジメント会社も増えています。入社後半年から一年間、OJTで人材を育てた方が9か月間サーチを続けるよりも効率的、ということもできるでしょう。

また、ポジションを限定せず学歴やポテンシャルの高い候補者を第二新卒枠で採用する企業も出てきています。特に日系大手アセットマネジメント会社や社員数50名以上の外資系アセットマネジメント会社で見られる動きです。6~12か月間の研修を経て、適性や本人の希望に応じて配属を決定するプログラムで、業界外からも良い人材を登用できた成功例も増えています。

優秀な人材を惹きつけるために、企業ではどんな努力をしていますか?

各候補者の転職動機に応えることが一番ですが、タレントアトラクション戦略としては以下のような点に注力する企業が多く見られます。

  • 社風
  • ワークライフバランスや働きやすさ
  • 離職率の低さや会社としての安定感
  • キャリアパスの充実(期待できるキャリアパスの説明、キャリア支援体制の強化)
  • 福利厚生の充実(退職一時金、資格取得支援制度、借り上げ社宅制度)
  • 魅力的な給与・報酬の提示(基本給、ボーナス等)
  • 会社・組織としての将来性のアピール(商品力や経営戦略、外資系企業の場合は日本事業へのコミットメントの説明)

会社としてあらゆる対策を講じてもなかなか採用に至らず、上述の通り未経験者を採用するケースも年々増加傾向にあります。

2019年第4四半期の転職市場の見通しは?

第1-3期はフロントからバックオフィスまで安定的な採用需要がありましたが、第4期も求人数は同じ水準で推移すると思われます。

会計年度が12月で終わる外資系アセットマネジメントでは、予算やヘッドカウント(採用枠)を消化しようという駆け込み需要が出るでしょう。一旦海外本社で採用承認が取り消されると、再び承認を得るのは非常に難しくなるからです。また、12月には2020年1月以降の採用枠について、選考を始める企業も増えます(この場合オファー自体は2020年に入ってからになります)。

職種別では、フロントオフィスは引き続き機関投資家営業、投信営業、外部委託運用関連職、そしてミドルはプロダクトスペシャリスト(プロダクトマネージャー)やマーケティング、バックオフィスはコンプライアンス、RFP、レポーティングなどの需要があるでしょう。

2019年 第三四半期 アセットマネジメント採用動向

Tsuguo Kohno's picture
エグゼクティブディレクター | アセットマネジメント、プライベートバンク 紹介部門
tkohno@morganmckinley.com

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