2018年債券セールス&トレーディング採用動向を振り返って

熊沢 義喜 21 Jan 2019

国内及び国外における低金利政策の継続もあり、昨年は債券部門にとって決して前向きなものではありませんでした。

前年度に比較すると、債券セールス&トレーディング採用動向ですが少し明るい兆しが出てきました。
事業拡大によるヘッドカウント増加は稀であり主流はリプレースメント採用ですが、求人数はゆるやかに増加傾向。
ですが、水面下での動きが増えており、なかなか求人がマーケットに出にくい状況が続いています。

昨年度のポジション別採用トレンド

CEO

債券部門出身の著名な欧州系投資銀行日本法人CEOが、他欧州系投資銀行へ日本法人CEOとして移籍。

トレーディング部門

欧州系証券債券トレーディングヘッドが大手ヘッジファンドPMへ転身、米系大手証券マクロトレーディングヘッドが引退という全般的な傾向としては、円債における業界大物の動向が目立ちました。

JGBトレーダー 
外資系大手投資銀行で複数のヘッドレベルが退職、採用ニーズがありました。
外資系ヘッジファンドへの移籍、そして業界からの引退が背景。シニアトレーダーのリプレースメントでしたが、若手にてポジションを充当。
このポジションに限らず、シニアが抜けたあとに若返りを図るジュニオリゼーションが外資系投資銀行で増えています。
他外資系投資銀行へ日系投資銀行から中堅レベルの移籍例がみられました。
 
円スワップトレーダー
こちらもヘッドレベルを含む複数のシニアトレーダーが退職、入れ替え需要がありました。
こちらは即戦力シニアトレーダーが所属先を変える形でした。
外資系投資銀行から他外資系投資銀行への移籍が主流でしたが、著名な欧州系投資銀行円スワップトレーディングヘッドが外資系大手アセットマネジメントに移籍した事例がありました。
外資系投資銀行における円スワップトレーダーは2名もしくは3名のチーム編成が主流。
各社とも少数精鋭のチーム編成であり、玉突き現象でプレイヤーの異動が起こりやすい状況。

円オプショントレーダー  
外資系投資銀行で複数の動きがありました。
シニアトレーダー退職に伴う、若手の充当。
業績好調に伴う、若手ヘッドカウントの増加。

外債トレーダー  
ここ数年外資系投資銀行では、東京拠点からシンガポールなど海外拠点へ外債トレーディング部門を移す動きが進んでいます。
外資系投資銀行で東京拠点があるファームでは、米国債のトレーディングが中心。
いずれもシニアレベルの移籍例としては;

  • 外資系投資銀行東京拠点から、他外資系投資銀行東京拠点へ。
  • 外資系投資銀行海外拠点から、他外資系投資銀行東京拠点へ。
  • 外資系投資銀行海外拠点から、日系投資銀行東京拠点へ。

クレジットトレーダー
あまり目立った動きがありませんでした。
ジュニアレベルの移籍事例としては、日系投資銀行から他日系投資銀行へ。

レポトレーダー
東京拠点、そして香港拠点ヘッジファンドにおいてジュニアトレーダーの採用ニーズがありました。

ヘッジファンドPM

複数の外資系投資銀行トレーディングヘッド経験のある著名プレイヤーの移籍がありました。
外資系投資銀行円債トレーディングヘッドからシンガポール拠点のヘッジファンドPMへ。
香港拠点ヘッジファンドPMから他香港拠点ヘッジファンドPMへ。

ストラクチュアリング 部門 

従来は金利及び為替ストラクチュアリング、もしくはクレジットストラクチュアリングに特化した人材が主流でした。
昨年の傾向としては、クロスアセットストラクチュアリングができる人材の採用ニーズ。
株、債券、クレジット等のクロスアセットの仕組商品組成担当者で デリバティブ商品のプライシング経験者。
この部門に関しては、日系投資銀行出身者の外資系投資銀行への移籍が目立ちました。
ジュニアのポテンシャル採用、そしてディレクターレベルと幅広いタイトルでの移籍がありました。

セールス部門

全般的な傾向としては、円債における採用需要が低調だったのに比較して外債及びクレジットの採用需要は比較的堅調でした。
又、日系投資銀行において円債、外債及びクレジットを統合したマルチプロダクトセールスにおける需要がありました。

JGBセールス
ほとんど需要がみられませんでした。 
日系投資銀行にて、若手から中堅レベルの採用ニーズがありました。

円債ヘッジファンドセールス
複数日系投資銀行において、シニアレベルの採用ニーズがありました。

地方セールス
日系投資銀行においてストラクチャードファンド商品に強いシニアレベルの需要がありました。
 
外債セールス
外資系投資銀行において、若手から中堅レベルの採用ニーズがありました。
特にニーズがあったのが米国債をカバーできる人材。
外債フローセールスが中心だが、ファームによってはMBSなど証券化商品のセールスも含まれる。
 
クレジットセールス
昨年もっともセールスで需要があったのが、クレジットセールス。
セールス経験者に加えて、トレーディング出身候補者もターゲットになっていました。
外資系投資銀行において、中堅からシニアレベルの採用ニーズがありました。  
外資系投資銀行ディレターから、他外資系投資銀行ディレクターへ。
 
サードパーティディストリビューション
外資系投資銀行における自社で開発したストラクチャード商品を、日系証券もしくは地方銀行を販売チャンネルにするビジネスが拡大中。
外資系投資銀行から他外資系投資銀行へディレクターレベルの移籍が複数例ありました。

2018年採用のトレンドまとめ

昨年の採用で顕著だった点は;

  • 採用はリプレースメント採用が主流でしたが、求人数は緩やかに増加傾向。
  • 即戦力重視の流れ。

例えば;

  • セールスであれば中央金法へグリップを持ってる方
  • 円債トレーディングでは 円債トレーディング  として、P/Lの実績
  • 円レポトレーディング であれば メガバンク及びBOJとのディール実績
  • ストラクチュアリングであればデリバティブ商品のプライシング経験 

では現時点で、比較的採用に前向きなポジションは?

円債トレーディングヘッド

  • 円債のマーケットメイカーとして、P/Lの実績は必須
  • 基本はJGBキャッシュ商品トレーディングでの実績を想定しているが、円オプション、円スワップでの実績のある候補者も対象
  • ディレクターレベル以上がターゲット

円債スワップトレーダー

  • マーケットメイカーとしての経験重視
  • アソシエイトからVPレベルまでがターゲット

外債フローセールス

  • 米国債などフロー商品のセールス
  • 外債フローセールス 経験必須
  • 中央金法担当
  • アソシエイトからVPレベルがターゲット

クレジットセールス

  • クレジット、ストラクチャード商品などノンフロー商品のセールス
  • クレジットセールス 経験必須 
  • 中央金法担当
  • VPからディレクターレベルがターゲット

円債ヘッジファンドセールス

  • JGBなど円債フロー商品のセールス
  • 豊富な海外を拠点とするヘッジファンド向けセールス経験必須 
  • VPからディレクターレベルがターゲット

地方セールス

  • 仕組債などストラクチャード商品、ファンド商品セールス実績必須
  • VPからディレクターレベルがターゲット

クロスアセットストラクチュアリング

  • 株、債券、クレジット等のクロスアセットの仕組商品組成担当者
  • デリバティブ商品のプライシング経験は必須
  • 複数案件有り
  • アナリストからディレクターレベルまで、比較的広い層がターゲット

 
現在のマーケット状況は流動的です。
他債券商品も含めて具体的採用動向に関して、お気軽にお問合せ下さい

Yoshiki Kumazawa's picture
シニアマネージャー | 銀行&金融, フロントオフィス 紹介部門
ykumazawa@morganmckinley.co.jp

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