映画で観るインベストメントバンカー

熊沢 義喜 12 Mar 2019

日本国内の労働人口の1%が勤務するといわれるのが外資系企業;更にその中でも限られた一部が、インベストメントバンカー。なかなか会うこともないインベストメントバンカーを知るには、映画が一番。

それも難しいドキュメンタリー映画ではなく、ハリウッドスターが主演するエンタテイメント性が高い作品がお薦め。

インベストメントバンカー の世界へようこそ!

インベストメントバンカー はクレイジーか? 

インベストメントバンカーは、大きな闇を心に抱えている。インベストメントバンカーの心理描写に注目。 
 
アメリカン・サイコ:原題 American Psycho   
2001年公開  
出演:クリスチャン・ベール ( Christian Bale) 、ウィレム・デフォー( William Defoe ) 、ジャレッド・レト( Jared Leto)、リース・ウィザスプーン( Reese Witherspoon )他  
 
80年代後半のニューヨークが舞台。
主人公は裕福な家庭出身、幼少から私立名門校出身のウオール街若手エリート。
父親がオーナーの投資会社で重役として働き、美しい婚約者、そして他にガールフレンドにも恵まれている(?)。
会員制ジムで鍛え、美容にうるさく、デザイナースーツを着こなす主人公は同僚とは名刺のデザインや行きつけの高級レストランを競う。
ナイトクラブに繰り出してアルコールとドラッグを嗜む。
表面上は成功しているインベストメントバンカーだが、大きな闇を心に抱えている。
完璧な装いの同僚に嫉妬の炎を燃やし、地位、冨、女性に恵まれても満たされない日々。
その満たされない衝動が、毎晩街に繰り出し快楽殺人の相手を探す日々へ主人公を誘う。
 
 
ウルフ・オブ・ウォールストリート :原題 The Wolf of Wall Street   
2013年公開
出演:レオナルド・ディカプリオ ( Leonard DiCaprio) 、マシュー・マコノヒー( Matthew McConaughey ) 他
 
破天荒なライフスタイルが、インベストメントバンカーの心を蝕んでいく。 
エスカレートするインベストメントバンカーの行動に注目。
80年代後半のニューヨーク及びその郊外ロングアイランドが舞台。  
主人公はニューヨーク郊外クイーンズ出身、20代前半で結婚して起業するが失敗。
生活と一発逆転をかけ、ウオール街大手の株式ブローカーのトレーニーとして就職。
入社初日にトップブローカーとのランチで、コカインとコールガールがビジネスの必須品と聞き驚愕。
ブラックマンデーの影響で就職した大手が倒産も、身に着けた突出した話術で店頭株ブローカーの世界でスターに。
ロングアイランドに店頭株ブローカー会社を立上げ大成功;糟糠の妻と別れ、ビールのCMに出ているモデルと再婚、豪邸と召使いを抱える。
ドラックとコールガールに溺れ、会社内で小人を投げるなどやり放題の日々。
やがて米国取引委員会に不法取引が発覚、狂気の日々も終わりを迎える。

 

インベストメントバンカー はギャンブラーか?  

インベストメントバンカーは、野性の勘を武器に逆張りの大勝負に打って出る。
負ければ破産を免れない不利な状況でも、勝負を捨てない姿勢に注目。 
 
マネー・ショート華麗なる大逆転 :原題 The Big Short  
2015年公開
出演:クリスチャン・ベール ( Christian Bale) 、スティーヴ・カレル( Steve Carell) 、ライアン・ゴズリング( Ryan Gosling)、ブラッド・ピット ( Brad Pitt )他
 
2008年に起こったリーマンショックを含めた世界的金融危機前後のアメリカが舞台。
2000年頃からアメリカでは急激に住宅価格が上昇、それを背景に住宅ローンバブルが発生。
特に通常の住宅ローン審査に通らない信用力の低い購入層向け商品、サブプライムローンが急拡大。
更にサブプライムローンを原資産とする金融商品が次々と開発された。 
住宅市場高騰を背景に、開発された金融商品には格付け会社が高い評価を与え;サブプライムローンを原資産とする金融商品は世界中の投資家に販売され、巨大なマーケットとなる。
不動産会社、住宅ローン販売業者、投資銀行、エコノミスト、世界中の投資家;大多数が住宅ローン市場の更なる拡大を疑わない中;異を唱える変わり者達がいた。
圧倒的少数派の彼らは、独自の理論とデータ、そして野性の勘を武器に逆張りの大勝負に打って出た。
勝負に負ければ破産を免れない不利な状況が続く中、やがて大逆転劇が世界的金融危機を背景に始まった。

 

インベストメントバンカー のスピーチはうまいか?

インベストメントバンカーの武器は、言葉の力だ。スピーチはもはやビジネスの必須スキルと思わせる点に注目。 
 
ウオール街 :原題 Wall Street
1987年公開
出演:マイケル・ダグラス ( Michael Douglas) 、チャーリー・シーン( Charlie Sheen  ) 、ダリル・ハンナ( Daryl Hannah )、マーティン・シーン ( Martin Sheen )他
 
80年代後半のニューヨークが舞台。  
勝つ為には手段を選ばない大物投資家ゴードン・ゲッコーとのビジネスは、ウオール街の株式ブローカー達に取って大成功を意味する。
ゴードン・ゲッコー が取引で支払う多額の手数料を目当てに、街中の 株式ブローカー達は売込みに余念が無い。
若手株式ブローカーのバドは毎日ゴードンに電話をかけ、オフィスを訪問するが全く相手にされない;父親が勤める航空会社のインサイダー取引を持ち掛けるまでは。
ゴードンの後ろ盾を得た バドは冨と女、そして投資銀行での地位とすべてを手にいれたかに見えたが、やがてゴードンの嘘と利用されていることに気づく。
そして父親が勤める航空会社を守る為、バドはゴードンに反旗を上げた。
ゴードンが繰り出した数々の名言「Greed is good.(強欲は善だ)」「Money never sleeps.(金は眠らんぞ)」「君の質問には3語で十分、Buy my book(ウチは買いだ)」が秀逸。
特に買収した製紙会社の株主総会に乗り込んだ際のスピーチ、Greed is good speech は映画史上に残る印象的な場面。

 

他に観るべきインベストメントバンカーの映画はあるか?

マージン・コール:原題 Margin Call
2011年公開
出演:ケビン・スペイシー ( Kevin Spacey )、サイモン・ベイカー( Simon Baker )、ジェレミー・アイアンズ( Jeremy Irons )、デミー・ムーア ( Demi Moore )他


ウォール・ストリート :原題 Wall Street: Money Never Sleeps 
2010年公開
出演:マイケル・ダグラス ( Michael Douglas) 、シャイア・ラブーフ( Shia LaBeouf ) 他


プロヴァンスの贈り物 :原題 A Good Year
2006年公開
出演:ラッセル・クロー ( Russell Crowe ) 他


マネー・ゲーム :原題 Boiler Room 
2000年公開
出演:ヴィン・ディーゼル ( Vin Diesel) 、ベン・アフレック( Ben Affleck ) 他


マネー・トレーダー :原題 Rogue Trader
1998年公開
出演:ユアン・マクレガー ( Ewan McGregor ) 他


ワーキング・ガール :原題 Working Girl
1988年公開
出演:メラニー・グリフィス( Melanie Griffith)、ハリソン・フォード ( Harrison Ford ) 、シガニー・ウィーバー( Sigourney Weaver ) 他


虚栄のかがり火 :原題 The Bonfire of the Vanities   
1987年公開
出演:トム・ハンクス ( Tom Hanks) 、ブルース・ウィリス( Bruce Willis ) 、メラニー・グリフィス( Melanie Griffith)、モーガン・フリーマン ( Morgan Freeman )他
 
 
映画はインベストメントバンカーを知る為の入門編。
事実は小説より奇なり、リアルなインベストメントバンカー像に関してはお気軽にお聞きください。
 

Yoshiki Kumazawa's picture
シニアマネージャー | 銀行&金融, フロントオフィス 紹介部門
ykumazawa@morganmckinley.co.jp

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