投資銀行債券フロントオフィスの職種

熊沢 義喜 25 Feb 2019

投資銀行における債券分野の主流は機関投資家向けビジネス。大きく分けてセールス、トレーディング、ストラクチュアリング、そしてリサーチ部門に分類できます。

それぞれの部門の概要及び部門内における職種、そして採用トレンドに関して見ていきたいと思います。

セールス部門

セールス部門内の職種は担当するプロダクト、そしてクライアントにより区分できます。

各投資銀行によりチーム編成は異なりますが、いくつかの代表例をリストアップ致します。

円債セールス:
日本国債 (JGB) が中心、他に地方債、社債などキャッシュ商品に加えて、円スワップを中心としたデリバティブ商品の営業。
担当クライアントは中央金法と総称される国内大手金融法人。メガバンク及び各銀行、信託銀行、生保、損保及びアセットマネジメントなど各社を担当。
 
ヘッジファンドセールス:
円債セールスチームの中で、主に国外顧客をカバーするチームで、海外拠点のヘッジファンド、各国の中央銀行各社などを担当。
 
地方セールス:
円債チームチームの中で、主に地方銀行、信金、信組などをカバーするチームで、顧客の要望により円債に加えて、外債、仕組み債商品などの営業も担当。
 
外債セールス:
米国債、ユーロ国債(英国、ドイツなど)などが中心、他に地方債、社債などキャッシュ商品に加えて、スワップを中心としたデリバティブ商品の営業。
担当クライアントは中央金法と総称される国内大手金融法人。メガバンク及び各銀行、信託銀行、生保、損保及びアセットマネジメントなど各社が中心だが、地方金融機関もカバー。
 
クレジットセールス:
クレジットリンク商品、シングルクレジット、CLOなどクレジットデリバティブ商品が中心、他に証券化商品、仕組債に加えて、メザニンローンなどローン商品も含めた商品の営業。
担当クライアントは中央金法と総称される国内大手金融法人。メガバンク及び各銀行、信託銀行、生保、損保及びアセットマネジメントなど各社が中心だが、地方金融機関もカバー。
 
サードパーティディストリビューションセールス:
主に個人向けに開発したストラクチャード商品を;販売チャンネルである日系銀行、日系証券などに対する営業。
 
債券マルチプロダクトセールス:
円債、外債、クレジットなどを包括的にカバー。
担当クライアントは中央金法及び地方金融機関。

トレーディング部門

トレーディング部門内の職種は基本的にはトレーディング手法、そして担当するプロダクトにより区分できます。
 
トレーディング手法による区分 

プロップトレーディング:
会社の資金を使い、自己勘定におけるリスクを取って行うトレーディング。
一部投資銀行は積極的に行っているが、マーケット全体としては少数派。

カストマートレーディング:
顧客に売り気配と買い気配を提示、その価格をもとにトレードを成立されるトレーディング。
マーケットメイキングとも呼称される。
 
プロダクトによる区分

円債トレーディング:
円債は非常に大きなマーケットであり、各投資銀行により異なるが以下でチーム分けされているケースが多い。
JGBトレーディング、レポ及びマネーマーケットトレーディング、円スワップトレーディング、そして円オプショントレーディング。
 
JGBトレーディング:
日本国債の満期3年以上の中長期の商品が中心、他に地方債、財投債、社債などのトレーディング。
 
レポ及びマネーマーケットトレーディング :
満期が1年未満の短期商品のトレーディング。

円スワップトレーディング :
円金利スワップを中心とした、アセットスワップ、ベーシススワップなどのトレーディング。
 
円オプショントレーディング:
円金利オプションが中心とした、スワプションも含めたトレーディング。  

外債トレーディング:
米国債、ユーロ国債(英国、ドイツなど)などが中心、他に地方債、社債などキャッシュ商品に加えて、スワップを中心としたデリバティブ商品のトレーディング。

クレジットトレーディング:
クレジットリンク商品、シングルクレジット、CLOなどクレジットデリバティブ商品が中心、他に証券化商品、仕組債に加えて、メザニンローンなどローン商品も含めた商品のトレーディング。

ストラクチュアリング部門

ストラクチュアリング部門内の職種は基本的には担当するプロダクトにより区分できます。 
 
金利・為替ストラクチュアリング:
金利為替デリバティブを用いた金融法人もしくは事業法人向け商品の開発及びマーケティング。
 
クレジットストラクチュアリング:
クレジットデリバティブを用いた主に金融法人向け商品の開発及びマーケティング。
 
クロスアセットストラクチュアリング:
金利、為替、クレジット、エクイティなどを用いた主に金融法人向け仕組み債商品の開発及びマーケティング。

リサーチ部門  

債券分野では基本的にリサーチ部門の職種は限定されています。
 
債券ストラテジスト:
債券分析レポートを発行、主に機関投資家向けに債券投資助言業務を行う。
 
金利トレーディングデスクストラット:
JGBトレーディング及び円スワップトレーディングチームへのプライシング、リスク分析サポートを行う。

採用トレンド  

緩やかに採用募集ポジションが出てきました。
背景としては;

  • 外資系投資銀行各社の2019年の予算も固まりつつある。
  • 年1回のボーナスアナウンスメント&ペイメントが行われている。

以上の点から、採用側及び候補者側の動きが活発化しつつあります。

昨年同時期と比較すると各社の採用ニーズは増加傾向。
主流はリプレースメント採用ですが、事業好調による新規ヘッドカウントポジションも有。
ポジション別の状況を見ていきたいと思います。

セールス部門 

外債の需要が高く、円債の需要が低いトレンドが続いています。

外債で需要が高いのが、中央金法向けの外債フローセールス。
若手からディレクターレベルまで、特に外資系投資銀行から幅広く採用ニーズ有り。

円債で需要が高いのが、ヘッジファンドセールス。
シニア即戦力のニーズ、こちらは日系投資銀行からの採用ニーズ。

クレジットセールスのニーズも、一部有り。

トレーディング部門

円債の需要が高く、外債の需要が低いトレンドが続いています。
ここ数年来外債トレーディングチームをシンガポールなど海外拠点に移す動きがある点も影響。

複数投資銀行でJGBトレーディングシニア採用ニーズがあります。

即戦力ニーズがあるのが円スワップトレーディングとクレジットトレーディング。

レポトレーディングで若手ポテンシャル採用ニーズ有り。

ストラクチュアリング部門

クロスアセットストラクチュアリングでシニア採用ニーズ。

即戦力ニーズがあるのがクレジットストラクチュアリング。

リサーチ部門

今年に入ってからは、目立った動きがありません。

 

外資系投資銀行各社のボーナスペイメントは3月で一段落致します。
今後は各社の採用も一段と活発化します。
個別の採用状況に関しては、お気軽にお問い合わせください。
 

Yoshiki Kumazawa's picture
シニアマネージャー | 銀行&金融, フロントオフィス 紹介部門
ykumazawa@morganmckinley.co.jp

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