在宅組&出社組のウェルビーングを守る7つのポイント

ライオネル・カイダツィス June 11, 2020この記事を読む所要時間: 10分

新型コロナウイルスの世界的な流行を受けて、現役のビジネスパーソンは今まで経験したことのない危機に直面しています。経営者として上司として、人事として、会社や事業の存続のために様々な対策に追われている方も多いと思いますが、見逃してはならないのが部下やチームメンバーのウェルビーイングです。

社員のウェルビーイング(employee wellbeing)とは、従業員が経済的にも社会的・精神的にも満たされている状態を言います。企業は単に雇用を創出するだけでなく、社員に心身ともに健康で幸福になれる場を提供することが求められているのです。ハッピーな社員は生産性や創造性も高まり、会社への貢献度も高いと言われています。

今回のパンデミックでは健康面はもとより、一時帰休や減給、解雇(又はそのリスク)など経済的な不安を抱えている人も少なくありません。会社として適切なケアをする必要があります。

また、オフィスへの復帰が徐々に進む中で「恐い」「不安」といった感情と戦っている人もいるかもしれません。在宅勤務を続ける社員も、会社にいる社員と比べて様子がわかりづらいので注意が必要です。オフィス・在宅、どちらの社員のウェルビーイングのサポートも怠らないようにしましょう。

モラル向上や社員の定着率の改善(リテンション)(※英文のみ)、生産性にも大きな影響を与えるウェルビーイング。ここでは、出社組・リモート組双方のウェルビーイングを支援するための7つのポイントをご紹介します。

  1. コミュニケーションは全ての基本
  2. 勤務制度は柔軟に
  3. 職場の感染対策
  4. ウェルビーイング・プログラムの拡充
  5. 休憩をしっかりとってもらう
  6.  チームの交流を保つ工夫
  7. 職務内容の見直し

Bonus section: 3 companies setting a great ‘employee wellbeing’ example

1.コミュニケーションは全ての基本

社員にハッピーでいてもらうための土台はコミュニケーションです。コロナ禍でもそれは変わりません。ストレートに「調子はどう?」「心配事はある?」といった定期的な声かけを行うだけで社員のウェルビーイングは全く変わってきます。こうしたコミュニケーションが、気軽に相談したり本当の気持ちを打ち明けたりできる信頼関係(※英文のみ)のベースになるからです。

簡単なことですが、実際には遠慮してしまったり、本心を聞くのが恐いというマネージャーもいるかもしれません。しかし放置すればするほど解決は難しくなりますので注意しましょう。

やり方としては一対一のミーティングがおすすめです。上司が威圧的だと部下が本音を言いにくいので、カジュアルで前向きな雰囲気を演出しましょう。在宅の社員とはビデオ会議をセットアップすればOKです。面と向かって言いにくいことも、バーチャル空間なら言えることもあるかもしれませんので、前向きにいきましょう!
 

 

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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逆に部下や社員の方から「相談したい」とアプローチされることもあるかもしれません。このような場合は話にきちんと耳を傾け、一緒に解決策を探す姿勢が大切です。いつでもプロフェッショナルとして冷静に、辛抱強く部下に寄り添いましょう。 

2.勤務制度は柔軟に

「働く」という行為のあり方がこれほどまでに揺さぶられたことはあったでしょうか?しかし幸いなことに多くの国では第一波が収束しつつあり、経済再開に向けた手探りが始まっています。

その一環としてオフィスへの復帰は当然の検討事項ですが、会社の都合だけで強引に進めてはいけません。従業員の健康とウェルビーイングに配慮しなければ、どのような戦略もうまくいかないからです。

ここでのキーワードは「フレキシブル」です。「本人のリスク、周りの人へのリスク」と「オフィスに戻るメリット」の両方を客観的に説明した上で、 出勤してもよいし、リモートワークを続けてもよい、という選択を社員にゆだねるのです。
 

 

新型コロナウイルスの流行を受けてTwitter社は、今後も「恒久的に」在宅勤務を認める方針を打ち出した。世界に先駆けてリモートワークモデルに移行することになる。

更に、在宅かオフィス勤務かという次元だけで考えず、フレックスタイム制など柔軟な勤務制度も併用して立体的な制度を構築してはいかがでしょうか。フレックス制には全員が同じ時間に出社・退社することによるロビーやエレベーター、階段の混雑を軽減できるという利点があります。ラッシュアワーに電車に乗りたくないという社員の不安を解消でき、オフィスが過密状態になるのも避けられます。

ここで忘れてはならないのが、在宅勤務の社員です。在宅でもフレックス制を利用できるようにし、子どもの世話や介護、共働きといった各家庭の事情に応じて自由に勤務時間を決められるようにすれば、社員のウェルビーイングに大きく向上します。
 

3.職場の感染対策

職場での感染リスクが心配、という従業員もいるでしょう。前回のブログでご紹介したように、オフィスの感染防止対策としては以下のようなものが効果的です: 

  • オフィスの人口密度をコントロールするために一人当たりの最低占有面積を決める
  • 個人防護具を支給し、正しい使い方を周知する
  • オフィスのディープクリーニングの頻度を高める
  • 給湯室や休憩室など、利用時に多くの人がたくさんのものに触れるスペースは一時的に閉鎖する
  • デスク周り、廊下、エレベーター内など目につきやすいところにソーシャルディスタンスを促す掲示物を貼りだす(一目で理解できるよう、絵や図が効果的)

会社が対策をしてくれているということがわかるだけで社員の心理的な不安はかなり和らぎます。安心はウェルビーイングに欠かせない要素です。

リモートワークを続ける社員には自宅の環境を整えるサポートも検討してみては。財務が厳しい会社もあるかもしれませんが、オフィス環境の充実は会社の当然の義務であるように、社員が自宅でも安心・快適に働けるようにすることは本来雇用主の責任であるはずです。
 

4.ウェルビーイング・プログラムの拡充

コロナ禍では上述した通り社員の不安を和らげることが大切ですが、オフィスに戻ることにはリスクもあるという正しい理解を促すことも重要です。研修プログラムや社内ルールの更新を通して、自分や周りの同僚へのリスクを減らすにはどうすればよいかを周知しましょう。
この機にメンタルヘルス対策を見直し、包括的なプログラムを導入してもいいかもしれません。アメリカではEAP(従業員支援プログラム)という仕組みが広く普及しており、社員はストレスチェックやカウンセリング、復職支援などを受けられます。

こうしたサポート体制がない、またはリソースが足りないという会社は外注を検討するのも手です。外部委託にはプライバシー保護やカウンセリングの客観性といったメリットもあります。

5. 休憩をしっかりとってもらう

オフィスで仕事をする場合、オンとオフの切り替えが簡単です。出社して仕事を始め、休憩をはさみつつ、同僚とランチに出て、帰宅後は「自分の時間」といった具合です。場所を移動することで無意識に頭の切り替えができていたのではないでしょうか。
一方在宅勤務だとなかなかこうした形が作れません。常にチャットに反応しないとサボってると思われるかもしれない、とストレスに感じている社員もいるでしょう。テレワークをしている社員にも、毎日適切な休憩をはさむよう促すことが大切です。
 

在宅の社員に一日中働き通すことを強要してはいけません。オフィスでもずっとパソコンに張り付いているわけではないのですから、リモートの社員にも適宜休憩を取るよう勧め、リフレッシュして仕事に集中できるようにしてあげるべきです。これはウェルビーイングだけでなく従業員エンゲージメントの観点からも言えることで、どちらも生産性向上につながるので積極的に進めたいところです。

6. チームの交流を保つ工夫を

新型コロナの影響で人とのかかわりが希薄になり、程度の差こそあれ孤独感を感じている社員は多いでしょう。オフィスに戻っても、以前のように飲みに行ったり廊下やキッチンで立ち話をしたりといったコミュニケーションも制限され、デスクでの会話さえ遠慮してしまいます。
このような環境では会社として安全な社内コミュニケーション手段を確立することが急務です。ZOOMやGoogle Hangoutでバーチャルブレイクをお膳立てしてみましょう。コーヒーやお茶を淹れて、仕事とは関係のない話をするようにします。在宅とオフィスの社員が繋がれる上、在宅の社員はとりづらかった休憩がとれて喜ばれるはずです。

ただし、やりすぎは禁物です!ウェブ会議が多すぎて「ZOOM疲れ」に陥ってしまう人もいます。ウェブ会議でもカメラをオフにしてよいことにしたり、ZOOM以外の手段も活用したりして変化をつけるのがコツです。

7. 職務内容の見直し

ここまで職場環境や勤務制度のことを中心に書いてきましたが、業務そのものの見直しも必要かもしれません。コロナ以前も人それぞれ仕事のストレスを抱えていたはずですから、今回のような状況に陥ってストレスを抱えきれなくなっていないか、気を付けて見守る必要があります。

環境を整えるだけではサポートしきれない場合もあるでしょう。場合によっては仕事の分担を変えたり、重要度の低いタスクを削ったりすべきです。気がつかなかった無駄を削減したり、担当業務以外でも役立つスキルや知識を持っている社員が活躍の場を広げるチャンスになるかもしれません。
 

世界の企業にみる、ウェルビーイングの取り組み:

ユニリーバUnilever は「社員が最高の自分でいられるようにサポート」するため、心身のウェルビーイングに会社をあげて取り組んでいます。その目指すところは全ての従業員が「人間らしい」気分でいられる状態をキープすることだそうです。更にLamplighter Programmeという先進的なプログラムを運営しており、変化や不安が大きいときにはメンタルヘルスのケアが欠かせないことをはっきり認識しているのが見て取れます。

Innocent Drinks -フルーツジュースなどを製造するInnocent はウェルビーイング促進のために複数のプログラムを導入しています。24時間いつでも秘密厳守で悩みを相談できるEAP(従業員支援プログラム)や、メンタルウェルビーイングについて学ぶ研修プログラムなどです。

参考情報:各国政府の施策など

各国政府も労働者のウェルビーイングを守るための情報を発信していますので、ご興味のある方は見てみてください。

 

Lionel Kaidatzis's picture
マネジング ディレクター
lionel@morganmckinley.com

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