人手不足を乗り切る、各社の採用戦略とは?

ブレンダン・ウォルシュ August 27, 2019目安: 1分

空前の低失業率に採用戦略を切り替える企業が出てきています。人手不足への転職市場の反応と、経理財務でのキャリアメイクへの影響を解説します。

いよいよ一年後に迫ったオリンピックの浮揚効果もあってか、成長を続ける日本経済。しかし採用企業の話を聞くとあらゆる職種において人手不足が深刻化しているようです。戦後最長と言われる景気拡大の局面で、企業はどのようにして人材を確保しているのでしょうか。

各社の採用担当者に話を伺うと、「売上は伸びていても成長を支える人手が足りない」という悲鳴が聞こえてきます。これは26年ぶりの低水準にあるという失業率に如実に表れています。今回は、この状況に転職市場がどのように反応して、採用・拡大を考えている企業は人材を確保するためにどのような工夫をしているのか、また経理財務部門でのキャリアメイクにどのような影響があるのかを考えてみたいと思います。

低失業率というマクロ経済指標を最も身近な形で感じられるのは、私たちが日常的に享受するサービスの質の低下でしょう。最近交通機関や宅配便、役所、地元の商店、コンビニ、レストランなどの接客が「悪くなった」と感じたことはありませんか?サービスの質の高さを世界に誇ってきた私たち日本人にとって、これは非常に大きな変化です。しかし実は、全社会的な人手不足によって同じ現象があらゆる業界で起きています。日本の会社員は「勤勉・まじめ」で通ってきましたが、現在は適切なスキルや資格を持った人材が不足している状況です。サービス業の現場だけでなく、ホワイトカラーの間でも労働の質の低下が起きているのです。

日系・外資系を問わず、日本でビジネスを展開する企業は要件を満たす人材がいない現状を打破するために、今までとは違う採用戦略を打ち出す必要があります。とはいえ、一体どうすればよいのでしょうか?ご参考までに、一定の成功を収めている採用戦略をご紹介します。

外国人の採用

日本社会は歴史的に同質性が高く、世界的に見ても外国人が少ない国です。現在、全人口に占める外国人の割合は約2%(参照:法務省「平成30年末現在における在留外国人数について」https://bit.ly/2Zee1x9)で、3人に1人が外国人という欧州諸国とは事情を大きく異にします。しかし、日本に住む外国人の数は年々増え続けており、深刻化する人手不足を解消するためにも、欲しいスキルセットを持った外国人の採用に積極的な企業が増えてきています。最近では昔ながらの商慣習を重んじる企業の営業職や「ドメスティック」な職場でもこのような傾向が加速しています。

多くのポジションにおいて鍵を握るのが日本語能力です。これまでは日本語能力検定1級を必須とする案件がほとんどでしたが、人材不足が深刻な最近の転職市場では2級、3級の人材まで裾野を広げる企業が目立ちます。いざという時に、直属の上司と英語などで意思疎通が図れる人材だと更に安心です。いずれにせよ、ネイティブ並みに日本語ができなければ門前払い、という状況は大きく変わりつつあります。

英語の社内公用語化

上述した外国人の積極採用にも通じる動きですが、海外展開している日系企業を中心に、グローバルな人材を確保するために社内のワークフローや環境を英語化する企業も出てきています。システムや書類、メールなどを英語に変え、オフィスで日本人社員同士がちょっとしたやりとりをするときは日本語を使うにしても、会議・電話会議やその他仕事関連の活動は原則的に英語で行っています。このような社内体制があれば、日本国内の外国人人材はもちろん、アジア圏での現地採用を進める上でも有利です。更に、家庭の事情などで海外からのUターンを目指す日本人を惹きつけやすくなるというメリットもあります。こうした方は、ドメスティックな社風の会社よりも国際的な職場を好む傾向にあり、海外で培った語学力を生かしたいと考えることが多いです。会社実務の国際化を進めることで、日本語力がないと採用できないというハードルを突破し、有能な人材の確保に成功している企業もあります。

要職への非正規社員の登用

これまで日本で契約社員・派遣社員といえば事務などの仕事が中心でした。しかし現在の採用ニーズや課題に鑑みて、要職にも非正規雇用の人材を迎えるケースが増えています。海外ではごく一般的な人事戦略ですが、それは雇い主にとっても働き手にとっても、雇用契約の柔軟性がプラスになる場合があるからです。長く続いた終身雇用の文化が一夜にして覆るとは思いませんが、転職市場の需給の変化により今後は日本でもこうした人員配置が少しずつ浸透していくのではないでしょうか。

経理財務のキャリアへの影響は?

それでは、人手不足は経理財務で働くプロフェッショナルの方々にどのような影響を及ぼすのでしょうか。現時点で予想されるのは、簿記や会計など、銀行や外部委託先、社内関係者とのやりとりを任されてきた職種で変化が起きることです。今までの経理財務部門はチーム内のコミュニケーションや「カルチャー」に配慮して、日本語が母国語(またはネイティブレベル)でないアカウンタントの採用に消極的でした。しかし現在の労働力不足により、今後経理プロセスを改革したり、日本語でないとできないタスクを外部委託する動きが進むかもしれません。そうなると、社員はより戦略的な職務をこなすことが求められるでしょう。これからの経理財務で活躍するためには会計、FP&A、税務、財務、監査などの専門知識に加え、ビジネスを大局的に捉え、行動に移す能力を磨く必要があると考えられます。

人材が確保できないとどうなる?

言うまでもなく、優秀な人材がいないと会社の将来に響きます。特に現在は、多くの業界で景気も市場も上々です。適切な人材さえいれば、ビジネスチャンスをものにすることができる条件が揃っているにも関わらず、多くの企業は成長戦略を実行に移すための人材確保が足かせとなり、どこまで事業を拡大すべきか悩んでいます。判断を誤れば、競合にビジネスを持っていかれてしまう危険もあり、このジレンマからどう脱するか、難しい舵取りを迫られることは間違いありません。
 

Morgan McKinleyでは、人材不足など様々な人事課題に悩む企業の皆様に多角的な観点からアドバイスをさせていただきます。どうぞお気軽にお問い合わせください。

Brendan Walsh's picture
アソシエイトディレクター | 人事、経理・財務 紹介部門
bwalsh@morganmckinley.co.jp

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