リーマン・ショック前後の採用の変遷

熊沢 義喜 06 Aug 2018

2008年9月15日に起きた リーマン・ショックは金融市場、特に債券市場にとり歴史的な出来事でした。10年たった今でも、大きな影響が続いています。

リーマン・ショックが起きた2008年以前、そして以後の東京市場では何が起きたのか。債券プロフェッショナルの採用を通して、振り返ってみたいと思います。

夜明け前

外資系投資銀行各社が国債市場の活発化を背景に、人員拡大へ舵を切る

2004年は債券部門強化を図るバークレイズ証券がCEO、リーマンブラザースが債券営業ヘッドを外部から招聘。債券部門の大物が移籍したことが話題になりました。

最初の大きな流れは2005年に国債市場プライメリーディラー新規参入が、複数外資系投資銀行に認可されたこと。カリヨン証券(現クレディ・アグリコル証券)及びABN-AMRO証券(現RBS証券)が新規参入を果たす過程で大きな人材の移動がありました。
特にABN-AMRO証券へはモルガンスタンレーから国債部門のセールス、トレーダー、リサーチの8名がチームで異動、日経新聞の一面で報道されるなどマーケットに大きな衝撃を与えました。

採用バブル

採用の需要と供給が逆転、安全な売手市場に

同時期から、バークレイズ証券が債券部門の大幅ば拡充に乗り出しました。特にドイツ証券、ゴールドマンサックスからエース級の人材を含めて多数が移籍しました。そして、クレジットデリバティブのストラクチュアリング人材は時代の寵児として、各社の争奪戦様相を呈しまた。

米国の証券化市場及びクレジットデリバティブマーケットの活況を受けて、特に2006年、2007年はABS, CMBS, RMBS, CDO等の経験を持つ人材への報酬は、移籍に対して大きなプレミアムが発生するバブル状況となっていました。

又、外資系投資銀行が自己資金で同分野に資金を投じるプリシンパルインベストメントがピークに達し、担当業務を行う部門がモルガンスタンレーとメリルリンチでは100名超の規模に達しました。

金融危機発生

組織再編によるリストラが

2008年になるとサブプライム、そして続きグローバルファイナンシャルクライシスにより状況が急変。以降2年間は組織再編による債券部門の大幅な縮小があり、多くのプレイヤーがマーケットを去りました。

復興期

大幅縮小による反動、ミニバブル

2010年は主にリプレースメント採用ですが、ようやく債券フロントオフィス採用が復活。JGBトレーダー、スワップトレーダーの移籍が目立ちました。

東北大地震発生

局地的に大きな動きも、全体は低迷

2011年はBNPパリバ証券からソシエテジェネラル証券への10名+規模で、大型のチーム移籍がありました。この影響による玉突き現象で、セールス、トレーディング、リサーチ、ストラクチュアリングに波及効果がありました。全体としては、2010年の反動で採用はあまり活発ではありませんでした。

2012年から2013年は全体としては、採用は低迷状況が続きました。特筆すべきは2013年にBNPパリバ証券が債券トレーディング部門ヘッドを外部から招聘したこと。この影響を受けて、JGBトレーダー、スワップトレーダーの移籍が続きました。

債券冬の時代

再び組織再編による、債券部門縮小の流れが

2014年からいくつかの外資系投資銀行では、比較的大きな規模で円金利ビジネス中心に人員削減。特に2015年末から2016年初めにかけて大手米系投資銀行を中心に組織再編の波が押し寄せます。

同時期にゆうちょ銀行がゴールドマンサックス及びモルガンスタンレー出身者を中心に、マーケット部門を拡充。複数のマネージングディレクター経験者が移籍しました。

薄明かりが見える

積極的ではないが、少しずつ反転の動きが 

主流はリプレースメント採用ですが、求人数は増加傾向に転じ、国内低金利を背景に 外債セールス、クレジットセールス拡充の流れが見えました。

2017年は円スワップトレーダーが玉突き状態で、外資系投資銀行間を移動しました。

 

さて2018年の状況は?
詳細は当方にお気軽にお問い合わせ下さい。

Yoshiki Kumazawa's picture
シニアマネージャー | 銀行&金融, フロントオフィス 紹介部門
ykumazawa@morganmckinley.co.jp

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