フォレンジックって?仕事内容とキャリアを解説

佐藤 和都 August 28, 2019目安: 1分

BIG4コンサルティング・M&Aアドバイザリーファームでは新たな会計年度のスタートと共に、今年度の採用活動をスタートさせました。注力エリアとして、コーポレートファイナンス、PMI、戦略コンサル、データアナリティクスなどがありますが、各社が特に採用に力を入れている領域の一つにフォレンジックがあります。

今回は数あるプロフェッショナルサービスファームでの業務の中から、フォレンジックについてまとめてみました。最近よく耳にするフォレンジックですが、まだまだ実際の業務のイメージを持つのは難しいのではないでしょうか。私も勉強中なのですが、最近フォレンジックチームで勤務されている方からお話を伺う機会があり、少しフォレンジックのお仕事について理解することができました。

フォレンジックとは

フォレンジックに対する正確な日本語訳というものは存在しません。直訳すれば「法廷の」という形容詞になりますが、実際のフォレンジックの意味とは違っているかと思います。多くの場合では、「不正調査」と訳されますが、企業の「鑑識」と喩えられることもあるようです。フォレンジックでは不正発覚時の調査から、それに伴う再発防止策の考案・導入実施まで幅広く行います。平時の内部体制構築やガバナンス体制構築を、医療に喩えて「内科治療的」な業務と呼ぶのに対し、フォレンジックは有事の対応が主な業務内容であることから、「外科治療的」な業務と呼ばれます。

【フォレンジックの業務内容】
かなり基本的な内容にはなりますが、フォレンジックの主な業務には以下の様なものがあります。

1.不正調査

最も一般的なものが不正発覚時における不正調査業務です。実際に第三者委員会に入ったり、弁護士からの依頼を受けて調査の実施・報告書の提出を行います。どの部署でどのタイミングで不正が始まったのか、どのように不正が広がっていったのか、不正の事実解明に当たります。不正が発覚したところから遡り、幅広い部署を調べて事実関係を洗い出します。関係する部署、記録、社員数等は膨大となるため、クライアントと話し合いながらある程度範囲を絞って調査を行います。

また、不正会計や粉飾決算といった財務関連の不正は会計の知識が必要となるため、公認会計士が行うことが多いです。電子情報(パソコンのメール履歴、ログ履歴、携帯のメール履歴等)を調査したり、開示したりすることも求められ、これはコンピューターフォレンジックやモバイルフォレンジックと呼ばれます。世間でデータアナリティクスが話題になる何年も前からフォレンジックの世界ではこういった膨大なデータのデータ分析を行ってきました。

さらに会計やIT関連に加え、不正発覚による損害額の計算、独占禁止法や贈収賄法違反に係る調査、知的財産やライセンス契約関連の調査(契約内容の精査やロイヤリティが適切に支払われているか等の調査)、訴訟に関する支援もフォレンジック業務に含まれます。

2.再発防止策の策定・導入

フォレンジックのメインの業務は調査ですが、再発防止策の策定・導入支援も行います。社内の通報制度やモニタリング制度の見直し、マニュアルの策定といったものが主な内容です。昨今は海外子会社が絡む不正事案が多いため、海外子会社のガバナンス体制構築といった業務も多く、クロスボーダー案件が全体の案件数の約半分を占めます。
 

3.M&Aに際するコンプライアンスデューデリジェンス

昨今M&A市場が活況となる中、コンプライアンス関連のニーズも高まっています。もはや買収先の役員のバックグラウンドチェックは当たり前となり、案件検討段階でのターゲット企業の背景調査や統合フェーズでの不正防止体制の構築といった業務もM&Aで必須の業務となっています。
 


【フォレンジック分野におけるBIG4の強み】
フォレンジックを行う上でのBIG4の強みは、やはり多彩な専門家を抱えている点ではないでしょうか。会計士はもちろん、BIG4にはシステム開発やデータアナリティクスといったITスキルの持った人材がいる他、グループファームには監査法人、弁護士事務所等があり、多岐にわたる不正調査のニーズに対応することが可能です。

【求められる人材】
専門的な知識が求められるフォレンジック。「ITや会計の専門家でしかフォレンジックチームで働けないの?」とお考えの方、決してそういうわけではありません。実際に働いている方からお話を聞いていると、何よりも求められるのは「高い倫理観」と「仕事に対する責任感」だと感じられます。もちろん関連経験や生かせるスキルは必要ですが、実際には事業会社の財務経理やコンプライアンス関連部署出身の方、また、違った分野でのコンサルティング経験をお持ちの方等が多く活躍されています。危機状態に陥ったクライアントに対し、タイムリーに正確な情報を提供すること、態勢立て直しに向け最適なアドバイス・サポートを提供すること等、フォレンジックにはとても高いコミットメントが求められます。

また、一人の人間がフォレンジックのすべての業務を網羅することは難しいため、チームプレーヤーであることも求められます。英語力もフォレンジック分野で活躍する上での重要な要素と言えるでしょう。前述通り、昨今は海外拠点が絡む案件が多く、クライアントや関係者が外国籍ということも当然考えられます。

【フォレンジックの未来-次のキャリア】
では、フォレンジックを経験した後に考えられるキャリアは何でしょうか。残念ながら、はっきりとしたネクストキャリアを予想することはできません。何故なら、フォレンジック自体が比較的新しい分野であり、そこから次のステップに進まれた方がまだ多くないからです。

今まで聞いたケースでは、データ分析経験を生かしIT企業や事業会社のデータアナリストポジションへの転職や、スタートアップ企業のコンプラ部署やIPO部署へ転職されたケースがあります。また、フォレンジック分野でキャリアを構築していくことも十分考えられるでしょう。フォレンジック市場はここ15年程度で急激に拡大しています。しかし、まだ日本は欧米に比べフォレンジックが進んでおらず、さらなるキャッチアップが必要とされています。また、オーナー企業が減り株主への説明責任を有する株式会社が増えていること、企業に対する世間の目も厳しくなっていることから、日本におけるフォレンジックの需要はこれからも拡大していくと予想されます。毎日、新聞やネットで不正疑惑や記者会見を行う企業のニュースを目にしていると、その見解があながち間違いではないと考えられるのではないでしょうか。

また、フォレンジックチームにはフォレンジックに魅せられ、そこでキャリアを築いていきたいという志向の方も多く、それも転職例が多くない要因の一つになっているように感じます。

フォレンジックの仕事にご興味のある方は履歴書をお送りください

こちらから

今年度、BIG4ではフォレンジックチームの採用に力を入れています。少しでも興味をお持ちになった方は是非、私までお気軽にご連絡下さい。

Kazuto Sato's picture
コンサルタント | 銀行&金融 紹介部門
ksato@morganmckinley.co.jp

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