コンプライアンスの新星 ~コントロール・ルーム~

証券取引等監視委員会の取り締まり強化により金融庁の行政処分を受けるケースも増える中、新たなタイプのコンプライアンス求人が増えています。

証券業界で特に問題となっているのは調査部門による情報漏洩です。

金融危機以降、証券の相場に影響する可能性のある未公開情報の社内共有について、厳しい規制が設けられました。トレーダーがこうした情報を市場よりも早く入手してその情報優位に基づく取引を行えば、それは明らかに市場の公正性を乱す行為となります。そのため、部署間の不適切な情報共有を防ぐ仕組みとして各社で「チャイニーズ・ウォール」が導入されました。

その間金融庁から業務改善命令を受けた証券会社もあれば、多額の罰金を科せられたケースもあります。その背景には、経済再生においてコーポレート・ガバナンスの徹底を一つの重要な目標に掲げる安倍政権の戦略があります。内部管理態勢の強化を迫られているのは金融業界ばかりではないのです。

かくして、この数年金融業界で転職活動をされた方は、コンプライアンス系の求人をたくさん目にされたことと思います。人事予算が確保できない部署もある中、異例の採用ブームです。2019年現在、各社のコンプライアンス部長はひとまず必要な人員を確保できたと感じているようですが、それでもコンプライアンス系の転職市場は活況を呈しています。

特に案件が目立つのがコントロール・ルームと金融犯罪・AML(アンチ・マネローンダリング)の分野です。コントロール・ルームとは社内の情報の動きを監視する役割を担う部署で、チャイニーズ・ウォールがきちんと機能するよう、積極的なマネジメントを行うのが任務です。

この分野はコンプライアンスにおいては比較的新しく、求人が増える中経験者が大きく不足しています。このため、コントロール・ルームの現場ではコンプライアンスの他の職種や、調査部門などビジネスサイドの出身者の選考も進めています。

コントロール・ルーム業務が未経験の場合、素質として求められるのは証券会社の各部門の有機的なつながりを理解していること、ビジネスサイドや当局ときっちり渡り合えるコミュニケ―ション能力です。そして何よりも倫理観に基づいて行動できる芯の強さ(integrity)です。

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Steven Howden's picture
マネージャー | 銀行&金融 紹介部門
showden@morganmckinley.co.jp