いつがベスト?ビッグ4を出るタイミング

Thomas Sokolowsky 07 Oct 2019

駆け出しのアカウンタントにとって、ビッグ4は憧れの職場です。しかし全員がパートナーになれる訳ではない環境において、「いつ転職するのが最も有利か」というのは多くの方が抱える悩みの1つではないでしょうか。

ビッグ4にいれば貴重な実務経験が積めますし、レジュメにPwC、デロイト、KPMG、E&Yの社名があるだけでキャリアに箔がつきます。実際、募集要項においてビッグ4の経験を必須項目にする企業も多く、4社での経験がいかに高評価かを示しています。

では、長期的なキャリアゴールはどう設定したらよいのでしょうか?一番ストレートなのはビッグ4でパートナーを目指すことですが、現実にはヘッドカウントや顧客開拓、パフォーマンスの条件が厳しく、全員がなれるわけではありません。「いつビッグ4を出るべきか」という問題については、多くのプロフェッショナルが頭を悩ませることとなります。

転職エージェントとしてこれまでたくさんの事例を見てきましたが、一般論としてビッグ4を出るのにベストなタイミングは2つあると感じています。1つ目はCPA/公認会計士試験に合格して実務経験を3年ほど積んだ時点での転職。2つ目は、マネージャークラスになったときです。

ビッグ4に入社して3年くらいたつと、年度末の繁忙期も何度か経験し、難しい監査でもチームを引っ張れるだけの力がついているはずです。GAFA、Fortune500のようなグローバル企業や日本の上場企業で、シニアアカウンタント又はFP&Aアナリストとして十分に活躍できるレベルであると考えられます。逆に実務経験が3年を大きく超えてしまうと給与面で転職先と折り合いがつかなくなるリスクがあります。

複雑なビジネス課題に取り組むだけの素地ができているマネージャークラスの人材であれば、よりハイレベルなポジションにチャレンジできるでしょう。ビッグ4で5~8年の実務経験を積んで事業会社への転職を目指す場合、「ビッグ4+インハウス」の経験を持つ人材とも選考で競わなければいけないので、転職のハードルがやや高くなります。ですがビッグ4での達成事項をうまくPRし、ファイナンスマネージャーやコントローラー職に転職している例は数多くあります。特にTNTや医薬系の高成長企業では、IPO担当者として財務データのマネジメント、ドキュメンテーション、弁護士との折衝を担当し、華々しく活躍している方もいます。

ビッグ4を出ることのメリットはたくさんあります。キャリアパスが開け、残業時間も減り、仕事の自由度や裁量が大きくなるのが一般的です。ほとんどの企業は、現状の給与水準に合わせてオファーをしてくれます。ただし、事業会社ならではの事情もあります。例えば、ビッグ4では3年程の実務経験があればシニアオーディターとして、フィールドワークを行うアソシエイトをとりまとめている方もいらっしゃるでしょう。事業会社の経理財務部門にはそこまでの人数がいないので、転職後は経理実務を自ら行う覚悟も必要です。また、事業会社には経理とは全く違った仕事を担当している部署がたくさんあります。数字だけではなく、会社という組織を深く理解し、営業やマーケティング、オペレーションなどの良きビジネスパートナーにならなければいけません。

今から3年程前までは、確実な会計知識があればビッグ4から事業会社にすんなりと転職することができました。しかし最近は、ソフトスキルが重要視される傾向にあり、語学力やプレゼンなどのコミュニケーション能力がクローズアップされています。転職市場は例年年末にかけて動きが鈍くなるので、この機会に2020年度の採用活動が活発化する1月に向けて語学やプレゼンスキルを磨くといいでしょう。経験や達成事項を上手にPRし、志望する企業についてしっかりリサーチをすれば、ビッグ4での経験を生かしてキャリアアップのチャンスを手に入れられるはずです。

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Consultant | Finance & Accounting Recruitment
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