PEファンドの選考方法

Yoshiki Kumazawa 18 Feb 2019

投資銀行及び戦略コンサルタントプロフェッショナルが次のキャリアを検討するに際して、PEファンドは引続き高い人気となっており、特にグローバルファンドは狭き門。競争率が非常に高いことは知られていますが、独特な選考方法に関してはあまり知られていません。

公募例は殆ど無く;全体数として投資銀行や銀行と比較して 求人数は非常に限定的。
PEファンドにおける募集要項、そして選考方法に関して見ていきたいと思います。

募集要項 

日本国内のPEファンド各社は少数精鋭で、原則として新卒採用を行っていません。
投資銀行もしくは戦略コンサルタントを経験後、中途採用による入社が王道。
PEファンド各社の採用ニーズに応じた募集要項の理解が、成功の鍵。 

案件の大半を占めるジュニアレベルの採用ニーズにおいて重要視される点ですが、

  • モデリング及びエクスキューション担当募集が圧倒的に多い
  • 王道は新卒で外資系投資銀行IBD( M&Aが望ましい)入社
  • 3年から5年の経験を経て、2社目にPEへAssociate で入社するケース(MBA経由もありますが)

投資先バリューアップ担当の案件で求められるのは、

  • 戦略コンサルティングにおける3年以上の経験必須、M&A関連プロジェクトのコンサルティング実績があることが望ましい。

募集要項例

アソシエイト1年目、東京勤務

  • バイアウトファンドにおけるモデリング及びエクスキューション担当
  • 投資銀行における2年以上のM&A経験必須
  • LBOモデリング知識必須
  • 母国語レベルの日本語及びビジネスレベルの英語力必須

アソシエイトからVP、東京勤務

  • バイアウトファンドにおけるモデリング及びエクスキューション担当
  • 投資銀行もしくは監査法人におけるM&A経験、もしくはバイアウトファンドにおける経験必須
  • 母国語レベルの日本語必須、ビジネスレベルの英語力が望ましい

アソシエイトからVP、東京勤務

  • バイアウトファンドにおける投資先バリューアップ担当
  • 戦略コンサルティングにおける3年以上の経験必須
  • M&A関連プロジェクトのコンサルティング実績があることが望ましい  
  • 母国語レベルの日本語及びビジネスレベルの英語力必須

選考方法:

各社により面接の流れは異なりますが、最低5回から6回程度の面接が想定されます。
選考にかかる期間も長く、2か月から3ヶ月かかるケースも。
グローバルファンドでは、海外拠点のメンバーとの面接が含まれるケースも多い。
シニアメンバーが来日時に対面での面接、他オフィスのメンバー複数とのビデオコンフェレンスもしくはコンフェレンスコールなどが設定される。

日本国内では、大手といわれるファンドでも20名程度の投資プロフェッショナルによる少数精鋭の体制。
少数精鋭の体制もあり、採用には時間と労力をかけて慎重に臨むファンドが主流。
定性分析、定量分析に加えて人間性も選考基準として考えられています。
複数回のジュニアからシニアメンバーとの面接、ケーススタディ、ディナーなどを通して選考が進められます。

面接の手順:

ボトムアップ型かトップダウン型に分類できます。
ボトムアップ型は、シニアアソシエイトもしくはVPクラスのジュニアからシニアに選考が進むスタイル。 
トップダウン型 は、マネージングディレクターなどシニアからジュニアに選考が進むスタイル

面接で聞かれる点:

経歴及び経験に関して書類選考においてスクリーニングはされていますので;
むしろ相性、志望動機ですとか定性面がみられることが主流。

ケーススタディ:

モデリングテストともいわれ、財務モデル(基本はLBO)作成能力が試される。
その上で、レポート作成とプレゼンテーションを課すファンドも多い。

コーポレイトファイナンステスト:

ケーススタディとは別途、コーポレイトファイナンスの知識を問うテストを行うファンドも有。
お題が与えられ、特定の投資に関するプレスリリースを作成するという形式もありました。

ファンドによる実際のケーススタディ例

ファンドに来社、エクセルにてLBOモデルを所定時間内に作成;そしてQ&Aセッション。
ファンドに来社、口頭ベースで投資アイディアの考え方を試す方式。
ファンドが選択した上場企業分析の課題が候補者に金曜に与えられ;月曜に英文3ページ程の投資コミッティー向け投資分析資料を提出する形式。
候補者が選択した上場企業のエクセルによる財務モデルとプレゼンテーション資料を作成(1週間程度);翌週にファンドに来社してプレゼン及びQ&Aセッション。

外資系ファンドによる面接の流れ想定例

一次面接:マネージングディレクター

  • マネージングディレクター がフランクに、率直に会社の話をします。
  • 入社後の仕事の厳しさを含めたリアルな印象を持ってもらうことが目的。
  • 候補者自身の考えているキャリアに近い仕事かどうかを、お互いに確認します。
  • 面接時間:1時間

二次面接:モデリングテスト , VP

  • 実際にエクセルを使ってのテスト、LBOのモデリング
  • 面接時間:3時間

三次面接:  通常面接及びコーポレイトファイナンステスト、 ディレクター

  • ディレクターが和やかな形で、面接をリードします。
  • 候補者からのアピールを聞き、質問に答えるのが主な内容
  • 面接終了後に、筆記試験(PCが提供されます)
  • 面接時間:1時間45分

四次面接:海外拠点の マネージングディレクター  

  • 原則としてビデオコンフェレンスではなく、来日時に対面で行います。
  • 面接時間:1時間

五次面接:チームメンバーとのディナー  

  • お互いに一緒に働くイメージを持てるかの確認が最大の目的。
  • 面接時間:3時間

PE及びヘッジファンドを目指すプロフェッショナルの主なバックグラウンド別の傾向

投資銀行業務(IBD)出身

  • PEにおいては主流派。
  • IBDを通じた得たスキルがPEで使用されるLBOモデリングへの汎用性が高く;案件のエクスキューション能力に関して、即戦力として採用されるケースが多い。
  • PEへの転職ではジュニアポジション及びシニアポジションでの移籍が可能。

 
戦略コンサルタント出身

  • 投資銀行業務(IBD)出身に準ずる主流派を形成。
  • 戦略コンサルタントを通じた得たスキルがPEにおけるバリューアップ業務への汎用性が高く;企業価値向上案の立案能力に関して、即戦力として採用されるケースが多い。
  • PEへの転職ではジュニアポジション及びシニアポジションでの移籍が可能。

 
エクイティリサーチ出身

  • PEにおいては少数派で、移籍例は限定的。
  • エクイティリサーチを通じた得たファイナンシャルスキルとPEで使用されるLBOモデリングは異なり;高い評価を得られないケースが多い。

 
その他

投資銀行スペシャルシチュエーション部門及び商社出身が一定数いる。
スペシャルシチュエーション(マーチャントバンキング)における自己勘定取引経験者は;扱った商品及び経験レベルによりますが投資業務経験が評価される。
商社における事業投資経験者も同様。

 

当社ではPE に特化したアドバイスを提供しています。
各社の投資実績及び投資スタイル、ターゲット候補者像の明確化(投資銀行出身もしくは戦略コンサルタント出身かなど)教示。
採用担当者名及びバックグラウンド、想定されるベースサラリーのレンジ、そしてボーナスの水準に関してなどアドバイスを行っています。
個別ポジション詳細に関しては、お気軽にお問い合わせ下さい。